乙4の難易度と合格率|公式データで見る10年の推移と対策
資格3分 編集部|2026年11月8日 更新
この記事の数字は、試験を実施している一般財団法人 消防試験研究センターが公表している「試験実施状況」から、年度(4月〜翌年3月)の値をそのまま載せています。予備校や民間サイトの推計は使っていません。
無料の乙4ドリルで実力をたしかめる乙4の合格率の推移(平成28年度〜令和7年度)
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 222,545人 | 71,059人 | 31.9% |
| 令和6年度 | 223,846人 | 71,023人 | 31.7% |
| 令和5年度 | 223,797人 | 71,670人 | 32.0% |
| 令和4年度 | 223,009人 | 70,211人 | 31.5% |
| 令和3年度 | 234,481人 | 84,564人 | 36.1% |
| 令和2年度 | 200,876人 | 77,466人 | 38.6% |
| 令和元年度 | 221,867人 | 85,669人 | 38.6% |
| 平成30年度 | 240,102人 | 93,667人 | 39.0% |
| 平成29年度 | 256,587人 | 88,328人 | 34.4% |
| 平成28年度 | 264,946人 | 76,575人 | 28.9% |
合格率=合格者数÷受験者数。申請しても当日受験しなかった人は含みません。令和8年度は4月〜8月の途中経過として、受験者85,192人・合格者28,987人・合格率34.0%が公表されています(年度の確定値ではありません)。
10年間で見ると、いちばん高いのは平成30年度の39.0%、いちばん低いのは平成28年度の28.9%です。令和4年度以降は31%台〜32%台で落ち着いています。毎年20万人以上が受験していて、危険物取扱者試験のなかで受験者がいちばん多い種類です。
ほかの種類と比べると
同じ令和7年度の、危険物取扱者試験の種類ごとの合格率です。
| 種類 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 甲種 | 20,296人 | 34.0% |
| 乙種第1類 | 7,931人 | 65.7% |
| 乙種第2類 | 8,840人 | 66.0% |
| 乙種第3類 | 10,275人 | 65.1% |
| 乙種第4類 | 222,545人 | 31.9% |
| 乙種第5類 | 10,972人 | 62.1% |
| 乙種第6類 | 10,402人 | 67.6% |
| 丙種 | 19,969人 | 48.0% |
| 全種類の合計 | 311,230人 | 38.3% |
乙4だけが3割台で、ほかの乙種は6割台です。ただし、これを「乙4の問題だけが特別に難しい」と読むのは早計です。
乙4の合格率が低めに出る理由
1. 3科目すべてで6割が必要
乙種の試験は「法令15問・物理化学10問・性質消火10問」の35問で、合格基準は科目ごとに60%以上です。合計点で判定するわけではないので、法令で満点を取っても、物理・化学が5問しか取れなければ不合格になります。理科に苦手意識がある人にとっては、この足切りがいちばんの壁になります。
2. ほかの類は「科目免除」で受ける人がいる
すでに乙種の免状を1つ以上持っている人が別の類を受けるときは、法令と物理・化学が免除され、性質・消火の10問(35分)だけを解きます。乙4を取った人が、次に第1類や第6類を受けるといった流れです。乙4以外の類の合格率が高く出るのは、こうした受験者が含まれることも関係していると考えられます。どのくらいの割合が免除を使っているかは公表されていないため、ここでは「合格率だけで難しさを比べられない」とだけ書いておきます。
3. 受験者の幅が広い
乙4は受験資格がなく、学生から社会人まで、毎年20万人以上が受けます。仕事で必要になって受ける人も多い資格です。準備の度合いも人それぞれなので、合格率はその平均の姿として見るのがよいでしょう。
合格率の数字を読むときの注意
公表されている数字には「申請者数」と「受験者数」があります。令和7年度の乙4は、申請者256,468人に対して、実際に受験したのは222,545人でした。申し込んでも当日受けなかった人が約3万4千人いるということです。合格率は受験者数を分母にしているので、「申し込んだ人のうち何%が受かったか」ではありません。
もうひとつは、合格率はあくまで全国の平均だということです。都道府県ごとの数字は、各地の自治体などが公表している場合があります。自分が受ける地域の数字が気になる人は、そちらも参考にしてください。ただし、試験問題の難しさが地域で違うわけではありません。
不合格だったときに見るべきところ
危険物取扱者試験では、受験者全員に、合否と科目ごとの正答率が書かれた試験結果通知書が届きます。不合格だった場合も、どの科目が60%に届かなかったのかがはっきりわかります。
- 1科目だけ足りなかった:その科目の要点ページを読み直し、問題を集中的に解きます。ほかの科目は忘れない程度にふれておけば十分です。
- 2科目以上足りなかった:全体の復習量が足りていない可能性があります。毎日の問題演習の回数を増やしましょう。
- あと1問で届かなかった:数字の取りちがえなど、ケアレスミスがないか見直します。語呂合わせで数字を整理するのも有効です。
試験日は都道府県ごとに決まっていて、受付期間内であれば次の回に申し込めます。住んでいる場所以外の都道府県でも受けられるので、早く再挑戦したい人は近くの県の日程も確認してみましょう。
実際の難易度はどれくらい?
試験の中身から見ると、乙4は「範囲は広くないが、暗記の量はそれなりにある」試験です。
- 出題形式:五肢択一のマークシート。記述や実技はありません。
- 範囲:法令は数字と手続きの暗記、性質・消火は物質ごとの性質の暗記が中心です。
- 理科:物理・化学は高校の理科の基礎レベル。燃焼と消火の考え方が中心で、計算問題は多くありません。
- 試験時間:2時間で35問。時間が足りなくなることは少ない試験です。
つまり、合格を分けるのは「難問を解けるか」より、苦手科目を6割に乗せられるかです。全体を浅く何度も回し、まちがえた問題をつぶしていく勉強が向いています。具体的な進め方は乙4の勉強法で紹介しています。
合格率から考える対策
・性質・消火は「例外」を表で覚える(10問中6問)
・物理・化学は燃焼・消火・静電気の用語を優先(10問中6問)
・試験前に公式の過去問PDFで、3科目それぞれが6割を超えるか確認
法令の数字は量が多いので、語呂合わせで覚えるのもおすすめです。乙4の語呂合わせ・覚え方にまとめました。
よくある質問
乙4の合格率は何%ですか?
消防試験研究センターの公表値では、令和7年度(令和7年4月〜令和8年3月)の乙種第4類は受験者222,545人、合格者71,059人で、合格率は31.9%です。
乙4はほかの類より難しいのですか?
令和7年度の合格率は、乙4が31.9%、乙4以外の乙種は62.1%〜67.6%でした。ただし乙4以外の類は、すでに乙種の免状を持っていて法令と物理・化学が免除される人も受験できるため、合格率だけで問題の難しさを比べることはできません。
乙4は独学でも合格できますか?
受験資格はなく、試験は選択式の35問で、科目ごとに60%以上で合格です。範囲が決まっているため、要点を押さえて問題演習を重ねれば独学でもねらえます。ほかの疑問は乙4のよくある質問にまとめています。
まとめ
乙4の合格率は近年3割強で安定しています。低めに見える数字の裏には、3科目すべてで6割が必要というしくみがあります。苦手科目をつくらないことを第一に、毎日少しずつ問題にふれておきましょう。